人生経験が生かせるということで、40代以降に人気の「キャリア系」資格。
取得してみたいけれど、どの資格が良いのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方に向けて、キャリア系資格についてまとめてみました。
この記事はこんな人におすすめ
- キャリア系の資格に興味があるけれど、どんな資格があるのか分からない
- キャリア系の資格を取りたいけれど、色々あって悩んでしまう
- キャリア系の資格の生かし方を知りたい
「キャリア系資格」の種類
キャリアコンサルタント
2016年4年より国家資格になった資格「キャリアコンサルタント」。登録制の名称独占資格のため、キャリアコンサルタントでない人が「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗ることができません。キャリアコンサルタントは、働く人の職業の選択や、職業能力の開発や向上に関する相談に応じて助言及び指導(キャリアコンサルティング)を行う専門家です。
国は「キャリアコンサルタント10万人計画」を掲げており「国家資格キャリアコンサルタント」の資格取得者のニーズが急増しています。社会を取り巻く環境が大きく変化している現在の日本では、一人ひとりのキャリアプランをサポートするキャリアコンサルタントが必要とされています。今後ますます活躍の場が広がっていくでしょう。
キャリアコンサルティング技能士
キャリアコンサルティング技能士は、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格で、1級(指導者レベル)、2級(熟練レベル)に分かれています。キャリアコンサルティング技能検定は、学科試験と実技(論述及び面接)試験で行われ、両方の試験に合格すると試験等級に応じて「キャリアコンサルティング技能士」の称号(国家資格)が 付与されます。
ちなみに・・・日本全国のコンサルティング技能士の数は、2級:12,710名、1級:774名です。(2025年9月時点)
この数字を見ても難易度が高い資格であるということが分かります。
産業カウンセラー
企業で働く従業員の相談に乗ったり、職場環境の改善をサポートしたりする産業カウンセラー。1991年に労働省(当時)の技能審査として認定された産業カウンセラー試験は、公的資格として扱われてきました。しかし、2001年9月に厚生労働省の技能審査が廃止された結果、産業カウンセラー資格は、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が運営する民間資格になりました。
民間資格となった今も社会的な認知度は高く、相談業務に従事する際に必要なことが多いです。〇〇カウンセラーと呼ばれる資格の中で最も社会的信用度が高い資格の一つと言えます。
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー:Career Development Adviser)とは、米国のキャリアカウンセラー養成プログラムを実務家対象の資格として日本向けに構築して導入したもので、日本キャリア開発協会が認定しているキャリアカウンセラー資格です。 CDAは、個人の興味、能力、価値観、その他の特性をもとに、個人にとって望ましいキャリアの選択・開発を支援するキャリア形成の専門家です。キャリアコンサルタント創設前、キャリア形成を支援するための資格といえばCDAでした。現在はキャリアコンサルタントをJCDAで取得する場合は、登録要件を満たせば認定されます。
キャリアカウンセラー
一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が認定している「キャリアカウンセラー資格」。人事労務・労働法規などの専門的な知識から、カウンセリングを実施していく上で重要な関係性の構築、課題の特定と行動計画の設計など、キャリアカウンセラーに必要な幅広いスキルを備えていることを証明する資格です。キャリアカウンセラーの資格は、労働者と企業の架け橋となって個々の能力やライフスタイルを見極めながら、その人に適したキャリア形成をサポートすることです。資格のキャリカレにて受講可能。
「キャリア系」資格の難易度とおすすめ度
| 資格名 | 取得しやすさ度 | おすすめ度 | 補足 |
| 国家資格キャリアコンサルタント |
★★★☆☆ 学科・実技試験両方への合格率: |
★★★★☆ | 国家資格であるため社会的信用度が高い。有資格者でないと就業できない仕事もあるが、資格をもっていたからといって未経験で就業するのは難しいことも・・・。資格を保持し続けるためには、研修のための時間と費用が必要。 |
| キャリアコンサルティング技能士2級 |
★★☆☆☆ 学科・実技試験両方への合格率:20%程難易度高めの資格 |
★★★☆☆ | 国家資格キャリアコンサルタントの上位資格なだけあって、実務経験者であっても実技試験が難しいといわれている。キャリアコンサルタントと違って資格の有効期限がないため、チャレンジする価値あり。 ただし、受検するためには実務経験が必要なため、まずは国家資格キャリアコンサルタントからスタートすることになる。 |
| キャリアコンサルティング技能士1級 |
★☆☆☆☆ 学科・実技試験両方への合格率:10%程の難関資格 |
★★☆☆☆ | |
| 産業カウンセラー | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | 歴史があるため世間的な認知度も高く、求人情報でよく見るのがこの資格。相談、カウンセリング等の求人に必要資格と書かれているケースも多い。キャリアコンサルタントとのW資格保持者も多数。 |
| CDA | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 国家資格キャリアコンサルタントが創設されるまで、国のキャリア・コンサルタント能力評価試験の一つとして指定されていたCDA資格認定試験。キャリアコンサルタント資格をJCDAで取得する場合は要件を満たせば認定が得られるため、W資格保持者になれる。資格を維持するためにCDAとしての活動が必要。 |
| キャリアカウンセラー | ★★★★★ |
★★★★★ | 資格のキャリカレが提供する通信講座。 キャリアカウンセラーに必要な専門知識から、「キャリアカウンセリング」「メンタルキャリアカウンセリング」「シニアキャリアカウンセリング」の3つの実践スキルが学べる。在宅で試験が受けられるのが最大のメリット。講座修了後には、JADPが認定するキャリアカウンセラーの「3資格」の取得が目指せる。 |
“キャリア系”資格の生かし方
企業で働く(人事・総務・キャリア支援部門)
キャリア系の資格は、企業内での人材育成や配置、面談業務をしている方にとって非常に相性が良い。
実際、企業の人事部に在籍しながらキャリア系の資格を取得される方は多いです。
人事・総務部門でのキャリア面談、社員のキャリア形成支援、メンタルヘルス対応など、経験と資格を組み合わせて活躍できます。
特に40代以降は「現場を知っている大人」としての信頼感が強み。
管理職経験や業界経験があれば、資格が“説得力の裏付け”として機能し、社内キャリアコンサルタント的な役割を担うことも可能です。
需要調整機関で働く(ハローワーク・就労支援施設など
需要調整機関って何のこと?と思われるかもしれませんが、代表的なのがハローワーク。ハローワーク以外にも、自治体の就労支援施設、委託型の支援機関では、キャリア系資格の需要が安定しています。
求職者の相談対応、職業選択の支援、再就職に向けた面談などが主な業務。年齢や立場の異なる人と向き合う仕事だからこそ、人生経験そのものが武器になります。
「40代だから不利」ではなく、「40代だから話を聞いてもらえる」世界。
安定性と社会貢献性の高い働き方です。
教育機関で働く(学校・訓練校・大学など)
教育機関と聞いて一番最初に思いつくのが大学ではないでしょうか。実際、大学の就職支援室等で、カウンセリング業務に従事するキャリアコンサルタントは多い。
また、専門学校や大学、職業訓練校などで、キャリアガイダンスや就職支援を行う道もあります。
学生や受講生に対して、自己理解や職業理解を促し、進路選択をサポートする役割です。
若者と向き合う仕事ですが、求められるのは“若さ”ではなく“視野の広さ”。
社会経験を積んできた40代だからこそ、現実的で納得感のあるアドバイスができ、教育現場で重宝される存在になれます。
今後は、近年増えている外国人留学生への進学・就職支援ニーズも見込まれます。
フリーランスで働く(個人相談・講座・発信)
キャリア系資格は、フリーランスとして独立・副業にも展開しやすいのが特徴です。
個別相談、セミナー開催、企業との業務委託、オンライン講座や発信など、働き方の自由度は高め。
雇用契約を結んで働く傍ら、単発の仕事を業務委託で請け負うといった働き方をしている方も数多くいます。
その他、キャリアコンサルタント講座の講師や、キャリアコンサルタント試験の面接対策専門で講師をしているフリーランスの方もいますし、YouTubeでキャリコン試験の対策動画を作成している方もいます。
SNSやブログで情報発信をしたり、オンラインカウンセラーとして働く方法もあり。
特に40代以降は、自身の転職経験や挫折、回り道がそのままコンテンツになります。
小さく始めて、少しずつ育てていくキャリアが描けます。
まとめ
人生経験を生かせるキャリア系の資格を紹介しました。
キャリア系の資格は、40代からのセカンドキャリアを検討している方にとって、これまでの経験に「言語化」と「専門性」という軸を与えてくれる非常に実用的なツールといえます。
企業、支援機関、教育現場、フリーランスと、資格の活かし方は一つではなく、自分の価値観や生活に合わせて選べるのが最大の魅力。
人生後半の働き方を、少し先まで見渡すための心強い味方になります。