「小一の壁」・・・
新入学時期になると、必ず話題になりますよね。
「4月から小学校。学童は18時まで。でも仕事は18時半まで……どうしよう」
そんな焦りを抱えながら、この記事を開いた方も多いのではないでしょうか。
小一の壁は、時間の問題のように見えて、実は「何を優先するか」という価値観の問題です。
答えは一つじゃない。でも、迷い続けると消耗する。
この記事では、3つの選択肢をフラットに並べたうえで、後悔しない選び方の判断基準をお伝えします。
私自身が正社員からパートを選んだ経緯と、そのプロセスも包み隠さず書いていきます。
小一の壁の正体は「時間不足」じゃなかった
よく「学童が早く終わる」「夏休みが長すぎる」という話になりますよね。
たしかにそれは現実の問題です。
でも、多くのお母さんが一番しんどいと思っているのは、時間が足りないことよりも「何かを犠牲にしている感覚」だと、私は思っています。
- 仕事を続ける→子どもへの罪悪感
- 仕事を減らす→キャリアへの不安
- 一度離れる→社会から取り残される怖さ
どれを選んでも、どこかが痛む。その「痛さ」の正体が、小一の壁の本質ではないでしょうか。
だから「時間の問題」として解こうとすると、どこかで詰まる。苦しくなってしまう。
「自分は何を一番守りたいか」という問いに変換することが、小一の壁に向き合う最初のステップです。
3つの選択肢、どれも正解にできる
① 正社員を続ける
キャリアの継続性、収入水準、社会との接点。
これらを守ることの優先順位が高いのなら、この選択は正解。
でも、一つ確認しなければならないこと・・・
「子どもの変化に気づける余白」を確保できるか。
学校生活は保育園と別物です。
友達関係、勉強のつまずき、気持ちの揺れ。
毎日少しでも「今日どうだった?」を聞ける時間と心の余裕があるなら、正社員のまま乗り越えられます。
② 働き方を変える(時短・パート・フリーランスなど)
収入は下がるかもしれない。でも、時間と気持ちの主導権を取り戻せる。
「収入を一時的に落としてでも、子どもの小学校生活を近くで見守りたい」という優先順位が明確なら、この選択は正解。
ポイントは「一時的」と決めておくこと。
・何年生(何歳)になったら見直す
・どんな状態になったら次を考える
そこまで決めておくと、後悔が減ります。
③ 一度、仕事から離れる
これを選ぶことに罪悪感を持つ方が多いし、後に後悔する方も多い気がします。
でも、「今しかできないことがある」という選択をすることも、キャリアの一つの判断です。
子どもが小さいこの時期に、仕事より優先したいものがある。その感覚は「逃げ」じゃない。
離れている間も今までの経験は消えないし、スキルも、人との縁も、全部自分の中に残ります。
だから、必要以上に恐れることはないと思います。「ゼロに戻るわけじゃない」ですから。
後悔しない選び方の判断基準
どの選択肢が「あなたの正解」になるかを決めるのに、次の4つの問いが有効です。
① 何を一番守りたいか
- 収入?
- キャリア?
- 子どもとの時間?
- 自分の精神的余裕?
優先順位の1位を言語化してみてください。
「全部大事」という気持ちはわかりますが、思考や判断を止めてしまうのでNGです。
② 一時的に手放せるのは何か
「手放せない」が多すぎると、どの選択肢も苦しくなってしまうので、「2〜3年だけなら手放せるもの」を探してみてください。
期限がつくと、手放しやすくなります。
③ 期限を決めているか
・子どもが3年生になるまで
・次の春まで
期限のない選択は、じわじわ消耗します。
見直しのタイミングを先に決めておくことが、自分を守ることになります。
④ 戻る選択肢を残しているか
どの選択をするにしても、「これが最後の判断」と思わないこと。
キャリアは何度でも選び直せる。そう思えると、今の選択が少し軽くなります。
私が正社員を手放した理由
私はかつて、損害保険会社のコールセンターで働く正社員のワーママでした。
土日祝日も年末年始も稼働する職場。
息子が0歳から保育園に預け、年末年始は会社の託児所まで連れて行き、365日のシフト制で働いていました。
仕事は嫌いじゃなかった。評価もされていたと思う。
でも、息子が成長するにつれて、ある思いが大きくなっていきました。
「子どもが小学校に上がったら続けられないかもしれない」という思いです。
そして、迷い、悩む日々の中、明確になっていったのが・・・
「学校から帰ってきた時に『おかえり』と言いたい。」
という強い思いでした。
シンプルだけど、私にとっては譲れないことでした。
正社員を辞めたいことを上司に相談したとき、こう言われました。
「今までのキャリアを捨てていいの?」
正直、揺れました。周囲からも「もったいないよ」と言われもしました。
でも同時に、ある問いが頭から離れなくなりました。
正社員を辞めることは、本当にキャリアを「捨てる」ことになるの?
そもそも、キャリアってなに?
パートタイマーに働き方を変えると決めてから、少しずつキャリアについて調べ始めました。
最初は「自分の選択が正しかったのかを確かめたかった」だけだったと思います。
でも、調べれば調べるほど、その問いへの答えが分からなくなっていった。
そして、パートタイマーになるのとほぼ同時に、国家資格キャリアコンサルタントのスクールに通い始め、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。
キャリアの知識を得た今の私なら、こう答えます。
キャリアは、肩書きや雇用形態じゃない。
どんな選択をして、何を大切にして生きていきたいか。
その積み重ねが、キャリアだ。
正社員を辞めたときに生まれた問いが、まさかこんな形で答えになるとは、あの頃の私には想像もできなかったことです。
学校から帰ってくる息子に「おかえり」と言って迎えた日々は、今でも私の中でかけがえのない時間です。
そして、あの上司の言葉がなければ、「キャリアとは何か」を真剣に考えることもなかった。
「もったいない」と言われた選択が、今の私を作っている。
振り返ってそう思えるのは、「何を守りたいか」を自分で決めて、選んだからだと思っています。
どれを選んでも、正解にできる
最後にお伝えしたいのは、これです。
小一の壁への対処に「唯一の正解」はありません。
あなたの価値観と、今の状況と、これからの見通しによって、正解は変わります。
でも、一つ、とても大切な条件があります。
それは・・・
自分が「納得して選ぶこと」
誰かに言われたから、なんとなく流れで、そうするしかなかった・・・
そういう選び方をすると、どの選択でも後悔が残りやすいからです。
自分が何を守りたいかを言語化して、期限を決めて、戻る前提で選ぶ。
それだけで、同じ選択でも「納得の重さ」が変わります。
一人で決めきれないと感じている方へ
「判断基準はわかった。でも、自分の場合はどうすればいいか、整理できない」
そんなとき、一人で抱え込まないでほしいんです。
プロのキャリアコンサルタントに相談することで、「人生の節目の選択」を一緒に整理してもらえます。
プロに相談することで、自分の中にある、自分も気付けていない考えや気持ちが言語化されます。
答えを押しつけるのではなく、あなた自身の「納得できる選択」を引き出すための対話になるはずです。
まずは気軽に話してみませんか。