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「時代遅れ」なんてもったいない。元講師が伝えたい、そろばんの本当の力

そろばんって、昭和の習い事じゃないの?

電卓もスマホもAIもある時代に、わざわざ珠をはじく意味があるの?

そう思っている方もいらっしゃるかと思います。

 

実は、電卓やパソコンでの計算が主流になった現在でも、そろばんは子どもの習い事として根強い人気を誇っています。

さらに、近年「日本式のそろばん」が世界中に広がっているのをご存じですか?

昭和⇒平成⇒令和と時代は変わっても、世の中がIT社会に変わっても、受け継がれているのには理由があります。

この記事では、元そろばん塾講師として、そして自分自身もそろばんに夢中になった一人として、そろばんの本当の魅力をお伝えしていきます。

 

そろばんとは?

そろばんは、日本の伝統的な計算道具です。

日本では、珠が串刺しになって桁ごとに整然と並んだものが使われています。

中国では、「算盤」(スワンパン)、 西洋ではAbacus(アバカス)と呼ばれています。

 

そろばんの歴史

計算機もスマホもなかった時代、人々はどうやって計算していたのでしょう。

そろばんの歴史をたどると、数千年にわたる人類の「数と向き合う知恵」が見えてきます。

 

古代そろばん

そろばんが生まれたのは、意外にも日本でも中国でもなく、西洋の地でした。

紀元前2000〜3000年頃、現在のイラクにあたるメソポタミア地方で、シュメール人が「砂そろばん」を発明したのがそのはじまりとされています。砂の上に石を置いて数を数えるという、とてもシンプルなものでした。

その後、エジプト・ギリシャ・ローマなどでは、盤に横線を引き、「ジェトン」と呼ばれるコイン型の玉を並べて計算する「線のそろばん」が使われるようになります。

さらに時代が進んだ紀元前300年〜紀元後400年頃、ローマ人は盤に溝を掘り、そこに玉をはめ込んだ「溝そろばん」を考案しました。この形は、現在の日本の4つ珠のそろばんにどこか似ています。ただし、西欧のそろばんは縦型が主流だったため、この横型の「溝そろばん」はあくまで例外的な存在だったようです。

 

中国にて

中国では、紀元前から「算木(さんぎ)」と呼ばれる細い棒を並べて計算する方法が使われていました。しかし商業が発展し、より速く・より正確な計算が求められるようになると、算木では追いつかなくなっていきます。

そうして登場したのが、木枠に串を通し、珠を通した「算盤(スァンパン)」です。中国式算盤は中桟の上に2つ、下に5つの珠がある「2珠5珠」の形で、現在日本で使われているそろばんの直接のルーツとなりました。

計算道具として商人や役人の間で広く使われるようになった中国の算盤は、やがて交易の波に乗って東へと伝わっていくことになります。

 

日本への伝来

中国で生まれたそろばんが日本に伝わったのは1570年代、室町時代の後期〜末期のことといわれています。

中国との貿易が盛んになるにつれ、商人たちの手によって長崎や堺(大阪)などの港町に持ち込まれたようです。当時のそろばんは、中桟の上が2つ珠・下が5つ珠のもので、中国式の形をそのまま受け継いでいました。

 

そろばんの普及

江戸時代に入り商業が発展すると、そろばんは商人たちの必需品として全国に広まっていきます。

明治時代には「上1珠・下5珠」のそろばんが登場し、昭和30年代ごろまで広く使われました。そして現在私たちがよく目にする「上1珠・下4珠」のそろばんが生まれたのは昭和13年のこと。小学校の教科書改訂をきっかけに標準化され、今日まで使われ続けています。

数千年の旅を経て、そろばんは日本の文化にしっかりと根を下ろしました。形は少しずつ変わりながらも、「手と頭を使って考える」という本質は、ずっと変わっていません。

 

世界中に広がるそろばん

そろばんは、今や世界の教室へ

アジアでは古くからそろばんに親しんできた日本・韓国・中国・台湾・香港・シンガポール・マカオ・ブルネイをはじめ、インドネシア・マレーシア・タイといった東南アジア各国でも広く普及しています。

そして今、その波はアジアにとどまりません。カナダ・アメリカ・メキシコといった北米・中米、ブラジル・ベネズエラなどの南米、さらにオーストラリアやトンガにまでそろばん教育が根付いています。

英語では「Abacus(アバカス)」と呼ばれ、現地の子どもたちが日本と同じように珠をはじきながら学んでいます。

 

なぜ世界で受け入れられるのか

そろばんが国境を越えて広まった背景には、数学が「世界共通の言語」であることが大きく関係しています。

1+1=2は、どの国でも、どの言語でも変わりません。そろばんで身につく計算力・集中力・論理的思考力は、文化や言語の壁を越えて通用する力です。

また、手を動かしながら数の概念を体感できるそろばんは、算数が苦手な子どもにも直感的にわかりやすいと、海外の教育現場でも高く評価されています。日本生まれの学習法が、世界の子どもたちの算数教育を支えている。そう思うと、少し誇らしい気持ちになりませんか。

 

令和時代に、なぜそろばん?

「子どもに、そろばんを習わせようかな」と考えたことはありますか?

その時、こんな声が頭をよぎりませんでしたか?

「今の時代にそろばんって必要なの?」 「計算なら電卓やスマホがあるし……」 「AIが何でもやってくれる時代に、習う意味はあるのかな?」

その気持ち、すごくよくわかります。

でも、実はそろばんが鍛えるのは、「計算の速さ」だけではないんです。

集中力、記憶力、忍耐力、判断力・・・指を動かしながら育まれるこれらの力は、スマホやAIが生活の一部になっているデジタル時代だからこそ、むしろ注目されています。

そんなそろばんの魅力を、一つひとつご紹介していきます。

 

そろばんを習うメリット

どんな良いことがあるの?

計算力

そろばんは、日本の伝統的な計算道具です。

足し算・引き算・掛け算・割り算と、四則計算をすべてそろばん一つでできるようになります。

級が上がると、小数点のある計算や答えがマイナスになる問題にも挑戦していきます。

大きな数字にも自然と慣れていくので、数字全体に対する感覚が育ちます。

スーパーで買い物するときに「だいたいいくらかな」とすぐわかったり、大人になってから割り勘の計算がパッとできたり、日常のあちこちで役立ちます。

 

集中力

計算には正確さが欠かせません。そろばんならなおさらです。

正しい答えを出すためには、その問題だけに意識を向ける集中力が必要です。

私が教えていたそろばん塾では、授業の前に「集中の時間」を設けていました。静かに座って気持ちを整えてから始める、この習慣が子どもたちの集中力をぐっと高めていたと感じています。

余計なことを考えず、そのことだけに集中できる習い事って、実はそれほど多くないのではないでしょうか。

私自身、無心になりたいときはそろばんを手にとります。見取り算(足し算・引き算)を10分間タイマーをかけてやると、頭の中がすっきりクリアになる気がします。

 

判断力

そろばんの計算には、「次にどの珠を動かすか」を瞬時に判断する積み重ねがあります。

問題を見た瞬間に桁を把握し、繰り上がりや繰り下がりを素早く判断しながら指を動かす。

この「見て・考えて・動かす」の連続が、素早く状況を読み取って行動に移す判断力を育てます。

ゲームのように点数が出るわけではありませんが、「この計算をどう解くか」を自分で判断しながら進める経験が、子どもたちの思考力をしっかり鍛えてくれます。

 

忍耐力

正しい指の動かし方でないと、正しい答えは出てきません。最初のうちは思うようにいかなくて、くじけそうになることもあります。

それでも練習を重ねるうちに、少しずつ指が言うことをきくようになる。そして答えが合ったときの子どもたちの顔は、本当に誇らしそうです。

級が上がるにつれて、扱う桁数はどんどん増えていきます。たとえば見取り算では、1問を1分以内に解かなければ時間内に終わりません。

スピードと正確さを同時に求められる中で、諦めずにやり切る力が少しずつ育まれていきます。

 

創造力

「計算とクリエイティビティは関係ない」と思われるかもしれません。

でも、そろばんでは「どうすれば速く解けるか」「どの順で珠を動かすのが効率的か」を自分なりに工夫する場面が生まれます。

正解への道筋は一つではありません。試行錯誤しながら自分なりのやり方を見つけていく経験が、柔軟な思考や創意工夫する力につながっていきます。

 

記憶力

そろばんと並行して学ぶのが暗算です。

頭の中にそろばんをイメージして、指を動かしながら計算していくのがそろばん式の暗算スタイル。

目で数字を見たらすぐに記憶して、次々と計算を進めていくため、自然と記憶力が鍛えられます。

「見た数字をすぐに頭の中で処理する」この力は、勉強だけでなく日常のあらゆる場面で活きてきます。

 

処理能力

そろばんでは、問題が次々と出てきます。一問が終わったらすぐ次へ。

スピードと正確さの両立が求められるため、情報を素早くさばく処理能力が自然と磨かれていきます。

大量の情報があふれる現代だからこそ、「速く・正確に・落ち着いて」処理できる力は、大人になってからも大きな武器になります。

 

手先の器用さ

手先の運動能力は、学業成績や達成度に影響するという研究結果があります。

日本の教育では幼いころから、折り紙や工作・筆記など、手先を使うプログラムが多く取り入れられています。

そろばんもその一つ。計算ツールでありながら、指先を細かくコントロールするアクティビティでもあります。

手と脳をつなぐ動作の繰り返しが、器用さと思考力を同時に育ててくれます。

 

いつから始めるのが良い?

「何歳から始めればいいんだろう?」—子どもにそろばんを習わせることを検討しているご家庭から、よく聞かれる質問です。

結論から言うと、始めるのに「遅すぎる」タイミングはありません。ただ、時期によって向き・不向きがあるのも事実。

私がそろばん塾で見てきた経験をもとにお伝えします。

 

小学校1〜2年生:算数への興味が芽生えたとき

私が働いていたそろばん塾に入ってくるお子さんで、一番多かったのが小学1〜2年生でした。

入学して算数の授業が始まり、「数字に強くなってほしい」「計算が得意になってほしい」という気持ちで入塾させる保護者の方が大半でした。

低学年のうちに始める一番の利点は、算数に苦手意識が生まれる前に、数字を「楽しいもの」として体験できること。

そろばんは抽象的な数の概念を珠という形で目に見えるものにしてくれるので、算数への興味を自然に育んでくれます。

一方で、小学校低学年のお子さんは集中力がまだ発展途上なことも多く、最初はなかなか落ち着かない……という場面も正直ありました。

あくまで経験則ですが、その点は頭に入れておいていただけると安心です。

 

小学校3〜4年生:習得が一番スムーズな時期かも

個人的な意見にはなりますが、小学3〜4年生がそろばんを始めるのにちょうどいい時期だと感じています。

この頃になると、ほとんどのお子さんが九九を習得済みです。計算の土台ができているぶん、低学年と比べると習得のスピードがぐっと上がります。

集中力も育ってきているので、授業の内容もしっかり吸収しやすい時期です。

かくいう私自身も、そろばんを始めたのは小学4年生のとき。最初は「今さら遅いかな」なんて思っていましたが、計算が面白くなってどんどん夢中になり、約2年で日商3級を取得できました。履歴書にも書ける日商3級は、多くのお子さんが目標にする資格ですが、中学年・高学年からスタートしても、小学生のうちに十分狙える範囲です。

 

高学年からでも、全然遅くない

「5年生からでは遅いですか?」という質問も、塾でよく受けていました。

答えは・・・「全く遅くありません」。

ただ、高学年になると他の習い事が本格化したり、受験のための学習塾通いが始まったりと、スケジュールの調整が難しくなることはあります。

オンラインそろばんなら、そういった時間的な問題も解決しやすいので、選択肢の一つとして検討してみてください。

 

結局、一番いい時期は「やりたいと思ったとき」

低学年でも、高学年でも、それぞれに良さがあります。「もう少し待ったほうがいいかな」と迷っているうちに、子どもの「やってみたい」という気持ちを逃してしまうのが一番もったいないかもしれません。

興味が出てきたなら、まずは体験レッスンから。それが一番の近道です。

 

オンラインそろばんという選択

オンラインでそろばんを習うメリット

「そろばんはやっぱり対面じゃないと」と思っていませんか?

実は、最近では、オンラインそろばんを選ぶご家庭がじわじわ増えています。

その理由やメリットについて、一つひとつ見ていきましょう。

どこにいても学べる

自宅がそのまま教室になるので、送迎が不要です。雨の日も、暑い夏も、寒い冬も関係なし。

習い事の送り迎えに追われているご家庭には、これだけでも十分な理由になるかもしれません。

引っ越しをしても同じ先生に習い続けられるのも、地味ながら大きなポイントです。

時間の融通がきく

対面教室は曜日・時間が固定されていることがほとんどですが、オンラインは比較的スケジュールを柔軟に組めるところが多いです。

習い事が複数あるご家庭でも、すき間時間に組み込みやすいのが助かります。

全国の先生から選べる

近所に教室がない、という地域の方にとっては特に大きなメリットです。

オンラインなら全国どこの先生でも選べるので、相性の良い先生に出会える可能性がぐっと広がります。

画面越しでも指導はしっかり届く

「オンラインで珠の動きまで見てもらえるの?」と心配される方も多いのですが、カメラで手元を映しながら進めるので、先生はしっかり確認できます。

マンツーマンが多いぶん、むしろ対面より丁寧に見てもらえることもありますよ。

 

オンライン教室を選ぶときのポイント

オンラインそろばんの教室は、今やたくさんの選択肢があります。だからこそ「どこを見て選べばいいの?」と迷ってしまうことも。

最初に確認しておきたいポイントを整理しました。

①体験レッスンがあるか

まず外せないのがここです。体験レッスンなしに入会を決めるのは、試着せずに服を買うようなもの。先生の教え方、画面越しの雰囲気、子どもとの相性・・・

これは実際に体験してみないとわかりません。体験が無料か有料かも確認しておきましょう。

②先生の指導歴・資格

そろばんには、「日本珠算連盟(日商系)」や「全国珠算教育連盟」が認定する段位・教師資格、また民間団体が認定している資格があります。

指導歴が長い先生ほど、子どもの「つまずきポイント」をよく知っています。プロフィールや紹介文をしっかり読んで、信頼できる先生かどうかを見極めましょう。

③使用するオンラインツール

ZoomやGoogle Meetなど、教室によって使用するツールはさまざまです。

カメラで手元をしっかり映せる環境が整っているか、子どもが一人でも接続しやすいかを確認しておくと安心です。

タブレットとスタンドがあると、手元を映すのがぐっと楽になりますよ。

 

④月謝・そろばんの用意

月謝の相場は教室によって異なります。また振替制度があるかも要チェック。

そろばん本体を自分で購入する必要があるか、初期費用も含めてトータルで見ておきましょう。

 

まずは「無料体験」から始めてみませんか?

ここまで読んでくださったあなたは、きっとお子さんのために真剣に考えているはず。

でも「本当に続けられるかな」「うちの子に合うかな」と、もう一歩が踏み出せない方も多いと思います。

大丈夫です。いきなり入会しなくていいんです。

オンラインそろばんの多くは、無料または低価格で体験レッスンを受け付けています。

まずは気軽に試してみて、お子さんの反応を見てから決めれば十分です。

 

主なオンラインそろばんサービスを比べてみよう

サービス名 人数 時間/回 レッスン数 費用/月 無料体験
▶ いしど式オンライン 1クラス最大5名程度まで 45分 4回/月 8800円~ あり
▶ ネットdeそろばん 担任制マンツーマン 30分~(コースによる) 週1回 8250円~ あり
▶ よみかきそろばんくらぶ 定員1~4名(クラスによる) 50分(小中学生クラス) 3回/月 4400円~ あり

 

迷ったら、この順番で動いてみて

step
1
気になるサービスの体験レッスンに申し込む

step
子どもの反応・先生との相性を確認する

step
2〜3か所を比べてから入会を決める

 

「条件はそろっているけど、なんとなくピンとこない」という直感も大切にしてください。

長く続けるためには、先生との相性が何より重要です。一つの教室に絞り込まず、2〜3か所を体験してから決めるのがおすすめです。

 

「百聞は一見にしかず」—そろばんの楽しさは、やってみて初めてわかります。

無料体験なら、リスクはゼロ。

この記事を読んだ今日が、動き出すのに一番いいタイミングかもしれません。

  • この記事を書いた人

AYA

40代半ばで未経験から日本語教師になった経験をもとに、40代からのキャリア再構築を支援するセカンドキャリアアドバイザーとして活動しています。 転職・副業・学び直し・パラレルキャリアなど、自分らしい働き方を選ぶためのヒントを発信。 主な保有資格:国家資格キャリアコンサルタント、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)。 就職氷河期世代の40代後半。湘南在住、サーフィン歴20年の一児の母。 キャリア、資格、子どもの教育についての記事を書いています。

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